山猿塾だより 丹波山猿塾だより 丹波山猿塾だよりバックナンバー

ここは、丹波市島で山猿塾を主宰する青木慧さんからの便りのコーナーです。


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◆山猿塾だより◆111 落成披露に向けて FAGRI掲載日 96/12/21 ◆山猿塾だより◆112 落成へ越年突貫工事 FAGRI掲載日 97/01/01 ◆山猿塾だより◆113 落成披露の報告 FAGRI掲載日 97/01/07 ◆山猿塾だより◆114 家具造り FAGRI掲載日 97/01/15 ◆山猿塾だより◆115 いろいろあって FAGRI掲載日 97/02/12 ◆山猿塾だより◆116 もう春ですいろいろあって FAGRI掲載日 97/03/03 ◆山猿塾だより◆117 FAGRI掲載日 97/03/12 ◆山猿塾だより◆118 ひとまず床上げ FAGRI掲載日 97/03/25 ◆山猿塾だより◆119−キャンプ案内 FAGRI掲載日 97/03/31 ◆山猿塾だより◆120 いろいろあって FAGRI掲載日 97/04/02


Contents Copyright 1996,97 Satoshi Aoki

08960 ◆山猿塾だより◆111 落成披露に向けて FAGRI掲載日 96/12/21 Nackさん(#8869)  すてきなガイダンスが好評のようでなによりです。書き忘れましたが、小冊子にす る場合、Nackさんの署名入りにしてはどうかと思います。すてきな個性も署名が ないと正体不明になります。  随分とエネルギーを消費したでしょうし、権兵衛のクリスマス・プレゼントは無理 をしないで、できれば本宅と一緒に落成披露ということになると、うれしいです。で も、くれぐれも、これも無理のないようにお願いします。 サナギマンさん(#8875)  先日は草刈りなど働きっぱなしで、どうも御苦労さんでした。その後、落成披露に 向けて建設作業に懸命で、お礼が遅れてしまいました。おかげさまで落成披露にふさ わしく、あたりがさっぱりとしました。  また、鹿の方は、狩猟解禁とともに猟師に追われて、最近は姿を消しました。でも、 またやってくるでしょう。人間どもの禁猟、解禁のスケジュールもとっくに承知のス ケのようです。  ストーブから木酢液をとっていますが、鹿にも効き目はあるかもしれません。一度、 試してみてはどうでしょうか。いや、かえってそれが好物だったりして……。木酢液 はテラスや浴室の板壁などにも塗って、防腐効果を試そうと思っています。 濁酒さん(#8942)  お久しぶりです。正月3日の落成披露は、特別の式典があるわけではなく、開催時 間もあるわけではありません。私どもでささやかな昼食でも用意させていただく予定 ですので、昼前ごろにきていただけるとどうかと思います。  といいますのも、山猿塾の計画や予定はあってないようなもので、常連さんほど突 発訪問が常習になっています。でも、なにか用意する場合は予定がたたなくて困りも のです。何人分の昼食を用意していいやら、まったく見当がつきません。  だから、あてずっぽうで用意するには、正体不明の「山猿鍋」がよかろうというこ とになりました。だが、これとて人数によって限界があり、出足の遅い人には口に入 らないこともあります。したがって、昼前ならはずれくじの心配はないのではないか と思います。 ◇落成披露に向けて◇  私はあいかわらずガリガリと働きっぱなしですが、寝室も落成披露にはどうにか泊 まれる状態にできそうです。3日当日の炊飯や雑役を手伝いに、女房の東京の友人と 下の娘がきてくれる予定です。  酒を下げてきたり祝い金を包んだりされると、お返しというめんどうなことになる ので、地元の集落の人たちには案内状を出しませんでしたが、おばあちゃん連中が 「見せてほしい」といってきましたし、けっこう見物にきてくれそうです。  私は儀式や形式、虚礼が大嫌いなので、ややっこしいことにならないことを願って います。平常心で1年半がかりの作品、創作住宅を見ていただきたいものです。  そうそう、森林組合製材所の職員のはからいで、100年を超える山桜の丸太を格 安の7000円で入手しました。なぜ伐採されたのかは不明ですが、落成披露の日に は、素材そのままの丸太のベンチとテーブルが、土間にデンと居据わっていることで しょう。ぜひ、みなさんのお尻で磨いてください。丸太ごと、あの桜の皮細工のつや が出てくるはずです。 目次へ MSHIBATA'S Home Pageへ
09014 ◆山猿塾だより◆112 落成へ越年突貫工事 FAGRI掲載日 97/01/01  みなさん、新年おめでとうございます。今年もしつこく「山猿塾だより」を書かせ てもらいます。 サナギマンさん(#9013)  正月はいろいろなお付き合いがあるのに、無理をさせているようですね。落成披露 の泊まりの予定ははっきりしません。が、越年突貫工事で本宅は寝室もどうにか利用 してもらえる状態になりましたので、小屋でなくても本宅に泊まれると思います。  参加の予定人数がわからなくて往生していますが、いまのところ20人くらいにな りそうです。とりあえずその予定で、ささやかな昼食の用意をすすめていますが、寒 波到来で天気にも左右されそうです。  ここへきて、新聞報道をみてふらりとくる見物人などが増え、またいろいろな問題 点が噴出してきました。大晦日も夜10時ごろまで建設作業で汗を流しましたが、大 晦日でも何組かの見物人が現れたからです。案内はしましたが、のんびりと話が長引 く相手には、「少し仕事をさせてほしい」と、途中でお帰り願いました。  今日、元旦もわが家は工事現場といっしょで、正月どころではありません。地元の 見物人、外人さんらが昼食どきに突然現れたので、「わが家にも都合があるから」と お帰り願いました。食事どきに突然こられると、夫婦二人所帯では日常的に他人の分 まで用意していませんので、困ってしまいます。  女房が自分の分を回して、自分は残り物でがまんしたことが何度もありますが、食 事どきに突然現れる人は、そういう他人の気遣いにも気付かないようです。こういう 例が目立ってきましたので、「食事中は面会謝絶にしようか」と話しています。  お互いに相手の生活を配慮するという、私たちの社会的常識が通用しなくなってき たので、ここらである程度の決断が必要かもしれません。いろいろな経験から、本宅 の利用、とくに宿泊も、今回の落成披露の3日に限らせてもらいたいと思っています。  ガイダンスのことだけではなく、せめて中心メンバーのみなさんに、わが家の実態 も知ってもらいたいものです。山猿塾が長続きできるように、いろいろ相談したいこ ともあります。でも、出入りの多い落成披露のときには、落ち着いた話はできないか もしれません。  しかし、FAGRI関係の古参メンバーだけではなく、ひろがった新しい人たちが 参加してくれますので、いまの山猿塾の実情を知ってもらえる、絶好の機会になると 思っています。新しい人たちもふくめて、もう少し先を見て、今後を相談していきた いと思っています。 目次へ MSHIBATA'S Home Pageへ
09048 ◆山猿塾だより◆113 落成披露の報告 FAGRI掲載日 97/01/07 ◇落成披露には40人が集う◇  私どもの本宅の落成披露には多くの方がきていただき、山猿塾の将来が少しずつ見 えはじめた気がします。おいでいただいたみなさん、ありがとうございました。  落成披露には、FAGRIの関係者は、芝田まことさん一家5人、サナギマンさん、 Nackさん、みえださん、KOHさん、濁酒さんの計10人がきてくれました。F AGRIの古参のみなさんが、依然、山猿塾を支える中心メンバーですが、今回の特 徴は、FAGRI以外のみなさんが多かったことです。  地元の集落のみなさんには、しきたりになっている虚礼がこわくて、案内状はごく かぎられた方だけにさしあげました。だが、地元の集落を中心に、市島町内からは元 町長、おなじみの現地事務局さん、山猿塾の敷地の元所有者、猟友会長さんとその一 族5人、工房一家3人、農機会社支店長、電気工事屋のほか、正月で帰省中の青年2 人の計14人がきてくれました。  そのほか、舞鶴のUターン農家、京都の元猛烈管理職、東京から京都府綾部市へ U−Iターン中の測量事務所経営者一家3人、大阪のボーイスカートの関係者2人と 製材業者、私の大阪の友人と京都のいとこ、女房の東京の友人、次女夫婦でした。私 たち夫婦もふくめると、ちょうど40人になりました。  その後も来訪者が絶えず、昨6日には、コープこうべの保養施設・エルムいぢじま の支配人が見物にきました。エルムいちじまからの来訪は、これでR人目です。また 昨夜は市島町森林組合製材所の若手職員が奥さんとともに、祝いの酒をさげてきてく れました。  今日7日は来訪者もなく、私も建設作業のペースを落として、ようやくパソコンに 向かいました。まだ細かな作業がたくさん残っていますが、そろそろ人並みのペース で、じっくり仕上げていきたいと思っています。 Nackさん(#9019,9033)  前記の製材所職員夫婦とともに、労作の山猿塾ガイドとアルバムを見ました。たい へんだったでしょう。これだけのものを個人負担にしてしまうと、負担が大きすぎな いか心配です。でも、助かります。  私も著作用に写真を整理していますが、汚れると肝心の原稿として使えないので、 やたらに出せません。こういうのがあると、いつでもみなさんにお見せできます。  しかし、いま考えているのですが、最近増えた見物人に、まずこれを見てください といって、私が相手をしないわけにもいかず、さてどうしたものか……。 甲山さん(#9022)  ぜひおいでください。一度見ていただいた当時からは、かなり進化しています。お いでのさいには、お酒の心配は御無用です。落成披露でも、酒が減るどころか増えて しまいました。 芝田まことさん(#9037)  翌4日には、おいしい蟹を御馳走さまでした。  新年早々にもつぎの著作にかかるかのようなホラを吹いてしまいましたが、本棚を 増築して身辺の資料を整理しないと、書くどころの話ではないことに気付きました。 それに、収支決算の方も……。 濁酒さん(#9042)  久しぶりに、よくきてくれました。できすぎの甘酒もなかなかのものでした。おい しくいただきました。同席の丹波の杜氏さんのお墨付きもいただけましたからね。  広い層の人たちが集ってくれるようになったことを、私も一番よろこんでいます。 地元の人たちがひょっこりきてくれるようになったのも、最近の特徴です。正月が明 けたら、近隣のおばあさん連中が誘い合ってきてくれることになってもいます。 目次へ MSHIBATA'S Home Pageへ
09131 ◆山猿塾だより◆114 家具造り FAGRI掲載日 97/01/15 NATSUMIさん(#9052)  ぜひ、冬の山猿塾にもおいでください。昨冬はまるで雪国でしたが、今冬はだいぶ 様相が違うようです。雪もほとんど降らず、冷え込みもたいしたことはありません。 昨冬は氷点下5、6度は朝飯前でしたが、今冬はせいぜい氷点下2、3度です。拍子 抜けしています。  いろいろとりこんでいて、たいへん返事が遅れました。 サナギマンさん(#9115)  風邪引きでしたか。マラソンのトレーニングのやりすぎもさることながら、ひまわ り小屋の底冷えがこたえたのでは……。冬期用のシラフがほしいところですね。ひま わり小屋の暖房も気になっています。  第三種兼業農家へのスタートも、下手をすると少々先になるかもしれません。とい うのも、本棚や家具造りなどに、まだかなり時間を食われ、つぎの拙著の準備が遅れ がちだからです。また、ガリガリ働くばかりでしたが、働くペースを少し落として、 生活とからだに余裕を持たせたいからです。 ◇余材で家具造り◇  半割材が多少あまったのと、引っ越してからブルーシートの下で1年以上、家具や 本棚を積み上げていて腐らせてしまったので、しばらく家具造りをしようと思います。 落成披露以降には、寝室に備え付けのタンスとベンチを造りました。  いざつぎの著書にかかろうとしても、書籍、資料がロフトの書庫に詰め込んだだけ で、どうにも動きがとれないことに気付きました。あと10本ぐらいは本棚が必要で すし、私と女房の仕事場も、家具類を追い出して、改造が不可欠です。 ◇お礼のねれ縁造り◇  今日15日には、お世話になった4人の地元の同級生に夫婦同伴を条件に集まって もらい、いただきものの鹿と猪の肉を焼きました。特に土地の取得から農地の転用な ど、あれこれと世話になった同級生には、自宅のぬれ縁造りでお礼にかえたいと思い、 今日その約束をしました。  夫婦同伴を条件にしたのは、男中心の地元の慣習を、身辺から変えていきたいとい う思いもあってのことです。地元の集落からは、山猿塾へ見物にきてくれるのも、男 が中心でした。  2月2日には、近隣のおばあちゃん連中がきてくれる予定ですが、男中心の古い慣 習も、やがて変わっていくでしょう。私たち自身が夫婦単位で行動し、男中心の慣習 で成立している集まりには、参加を遠慮するつもりでいます。当地にはまだ女人禁制 の山もありますが、そんなところも意識的に変革していく必要があります。 目次へ MSHIBATA'S Home Pageへ
09321 ◆山猿塾だより◆115 いろいろあって FAGRI掲載日 97/02/12 Nackさん(#9179)  いろいろあって、御無沙汰しました。その理由はあとまわしにして。私も自宅がほ ぼ完成したので、だいぶ生活が変わりはじめています。Nackさんの山猿塾へのか かわり方の転換も、いろいろやってみてほしいものです。  山猿塾、とくに完成した自宅の全景をカメラにおさめるためもあって、ようやく裏 山へ割に深く入ってみました。といっても女房と塾長犬も同行しましたので、行動範 囲は限られました。檜や杉の皮がはがれ、鹿の食害がひろがっているのがわかりまし た。  東側の稜線まであがり、木に登って全景を撮りました。でも、周囲の森林にさえぎ られ、撮れたのは自宅だけでした。いずれ、向かいの山を縦走したいと思っています。 こんな気分になれるようになったのも、ようやく住みかができたからだと思います。  地元の人たちとのかかわりもこれからです。家ができるまで保留にしていた「村入 り」もいよいよです。その後は近隣のばあさん連中が見物にもきてくれましたし、地 元の同級生が今年から区長にもなりましたし、地元とのかかわりが深くなる条件だけ はそろってきました。 芝田まことさん  突然の電話でお騒がせしました。IBMの骨董品は、芝田さんの感が当たったよう です。結局、接触不良が原因でした。ほっとしました。  自宅がほぼ完成したので、久しぶりにある雑誌の原稿を書きました。そして、今後 の仕事に備え、自分の仕事場を改造しはじめました。まず、パソコンを机から動かし て机を改造。1トンの荷物を置いても壊れないくらいの頑丈なものになりました。  ついで机の幅182.5cmと同じ幅のベッド兼椅子を造りました。これも新案特 許ものの新作ですよ。これも完成しパソコンを備え付け直したところ、まともに動い てくれません。  さてはと、いつかのようにシステムのカバーをはずしてコンプレッサーでエヤーを 吹きつけたところ、またまたカメムシの死骸が飛び出しました。やっぱりカメムシだ ったかと、パソコンを再起動させたところ、しめしめ動いてくれました。  ところがです。次第にトラブルが増え、あれよあれよという間に、さっぱり動かな くなってしまいました。そこで急遽、新型手造りパソコン、EISALの生みの親に 電話で相談した次第でした。  やはり強力な圧縮空気に吹きつけられて、メモリーとかが浮き上がっていたようで す。手当たりしだいに締めつけ押しつけてから、リファレンス・ディスケットを入れ てテストしてみたら、ハードはすべて正常になっていました。いろいろお知恵を拝借 し、ありがとうございました。  以上のように、雑誌原稿の執筆、パソコンの移動、故障などで、しばらく御無沙汰 してしまいました。できるだけ早く、骨董品からEISALに乗り換え、安心して仕 事ができる環境を整備していきたいと思っています。 目次へ MSHIBATA'S Home Pageへ
09385 ◆山猿塾だより◆116 もう春です FAGRI掲載日 97/03/03 ◇向かいの山を縦走◇  数日前、20〜30cmの積雪の朝、番犬を連れて向かいの山を3時間ばかり縦走 しました。単行本の執筆に備え、全景の写真を撮影するためです。登り口は吹きだま りで数十cmの積雪があり、番犬はからだが埋まって恐れをなしたのか、引き返そう としました。  ほとんど人が入らなくなった山道は、積雪で抑えられて曲がった木などで埋もれて いました。稜線では鹿やキツネか狸の足跡が多く、番犬が足跡をたどるのにまかせま した。ところどころで木にのぼり、撮影しました。けっこうおもしろい全景が撮れま した。 ◇もう春です◇  つい数日前の雪もうそのように、昨2日からウグイスがいっせいに鳴きはじめきし た。もう春です。あたりの雪もなくなりました。サナギマン果樹園はどうなったか? 越冬後の様子を見回りました。  梅のつぼみがふくらみはじめています。スダチは順調に成長していますが、ミカン にとっては、丹波の冬は少々、厳しかったのでしょう。スダチに比べると遅れをとっ ています。が、春のあいだにその分は取り戻すでしょう。枝をしっかりはっています。  どういうわけか、ブドウは姿を消しました。イチジクも1本は枯れ、雪の下で新芽 を育てていたのはあとの1本だけです。  菜園には、また新しい鹿の足跡があり、ホウレンソウはすでにきれいに収穫されて いました。隣のコマツナは手付かずでした。ソラマメも生き延び育ち盛りで、まもな く花を付けるでしょう。大根は積雪に圧縮されてしまったようにいじけています。 ◇春とともに新しい訪問者◇  冬のあいだの訪問者は、近隣のばあさんたちや町内の人がほとんどで、遠くからは 東京の独身の女性編集者くらいでした。彼女は3回目で、創作住宅に驚いていました。 またやってくるでしょう。  春とともに訪問者が増えそうです。一昨2日には、兵庫県小野市の男性がひょっこ りやってきました。当地の神社仏閣巡りをしていたところ、地元の寺の住職に山猿塾 の話を聞いて見物にやってきました。  また、昨3日には、姫路市からTさん親子4人がきました。すでに数回目ですが、 なんでも、間伐材でログハウスを建てる決心を固めたようです。くわしいことはFA RCDの「自然に学ぶ山猿塾報告」に書く予定ですが、1歳半の娘のゼンソク発作が そのきっかけになったそうです。  また、今日は隣町の春日町から夫婦連れでいきなりやってきました。町内の図書館 で『自然に学ぶ丹波山猿塾』を読み、その後どうなっているのか見てみようとやって きたものです。 ◇創作家具造りと仕事場の整理◇  私は机に向かう時間がいくらか増えましたが、どうも落ち着きません。仕事の道具、 とくに書籍があるべき位置に落ち着いていないからです。机を改造しベッド兼長椅子 を造り、今度は本棚を造りはじめました。仕事場はふたたび工事現場になってしまい、 しばらくパソコン通信も休みました。  ロフトなどに押し込めていた書類、書籍をあるべき位置に落ち着かせるには、あと 10本は本棚が必要です。仕事場だけには収まりきれないので、すでに寝室に3本、 床の間に1本、造りました。あと仕事場に5本造る計画です。そこらじゅうが紙屑の 山になってしまいました。  仕事の道具が落ち着いて、本格的に著作にかかるには、あとしばらく時間がかかり そうです。田畑を農家から借りるのは、もう少し先になりそうです。創作住宅の外見 は落成披露から変わりませんが、仕事場は一変するでしょう。また、いろんな創作家 具ができるはずです。注文の品を配達してくれた、地元の文房具屋のばあさんも「忍 者屋敷みたい」と驚いていました。  なお、創作住宅の収支決算をまとめ、FARCD15会議室に「創作住宅総決算」 (#468,469)を書きました。ぜひ御覧ください。使った間伐丸太は600本でした。家 そのものに使った費用は517万円、設備・工事費も含めて総額630万円でした。  ただし電動工具など約80万円はすべて減価償却し、かなりの余材も使いきった計 算です。余材を使ってこれから造る創作家具も含めた、大ざっぱな水ぶくれ決算です。 まずまず予算どおりです。また、できは予想以上でした。これもみなさんの御支援に よるものです。ありがとう。 目次へ MSHIBATA'S Home Pageへ
09425 ◆山猿塾だより◆117 FAGRI掲載日 97/03/12 ◇肋間神経痛と腰痛の逆療法◇  間伐材の余材を利用して本棚を造り、紙屑のような資料と書籍がどうにかおさまり ました。かつてネズミの運動会場となっていたロフトは、まだネズ公の糞をまき散ら されたままですが、とりあえずほっとしています。  しかし、3日ほど前から肋間神経痛に悩まされ、激痛に泣かされています。書物に よりますと、どうもウイルス性のようです。得意の逆療法のため重労働をつづけまし た。まず仕事場の横の空き地に残っていた間伐材の皮をむき整理しました。  木の肌は虫に模様を付けられていますが、ひまわり小屋の増築用なら、ちょっとし た柱に使えます。ただし勢いあまって、増築どころかひまわり小屋の土間のドアのガ ラスまで破ってしまいました。失敗です。  ドアの修理は後回しにして、今日12日は、気になっていた山猿塾の看板用に地下 配線を地中に埋める土方仕事に挑戦。あたりの石を集めて土砂止に埋め、配線を地中 に埋めました。入り口の道路が少しばかり広くなりました。  それはいいのですが、その途中で、今度はもう20回目くらいになる腰痛(ギック リ腰)になってしまいました。腰痛腰巻を付けて、今度は腰痛の逆療法でした。まだ 痛みは止まりませんが、気になる仕事を片付け気分爽快です。午後3時には重労働も 打ち上げにし、ビールで乾杯。机に向かいました。 ◇参加、訪問予定◇  きれいに刈り込まれていた雑草も、新芽をふきだし、サナギマン果樹園やあたりは 緑色になってきました。冬に耐えていた生き物がいっせいに活発な動きをみせはじめ ました。小型の昆虫類も、暖かい日中に飛び交うようになりました。防虫網も最小限 必要な範囲内で造らなければなりませんが、見た目より通気がよくないので二の足を 踏んでいます。  上の畑まで猪が出るようになりました。なぜか菜園には手を付けていませんが、そ の周辺の土を掘り返しています。なにか彼らの獲物があったのでしょう。人びとの動 きも活発になってきたようです。  14日から2週間の予定で、下の娘が滞在します。亭主の海外赴任に同行する予定 でしたが、体調をくずし、静養です。15日には堺から常連のソフトハウス経営者が きます。20日からは、広島の大学院生と京都の友人が2人づれでやってきます。  手紙で「春のキャンプでは、廃油を利用した石鹸造りをやらせてほしい」という申 し込みがありました。そうですね。そろそろ春のキャンプ山猿塾の計画も立てなけれ ばならなくなってきました。どういうキャンプがいいか、みなさんからの提案に期待 しています。  月末には元開拓農家の姉(といっても75歳のばあちゃん)も、泊まりにきたいと いってきています。そのほか「近いうちに」という、予定がはっきりしていない人が 何人かいます。  ひまわり小屋も開拓小屋も、冬のあいだは退屈であくびをしていました。どうなっ ているのか、私たちもまだよく見ていない状態です。みなさんの自主管理におまかせ します。創作住宅の見物、見学の場合以外は、日帰りの場合もひまわり小屋をセン ターにして、御利用ください。 目次へ MSHIBATA'S Home Pageへ
09475 ◆山猿塾だより◆118 ひとまず床上げ FAGRI掲載日 97/03/25 Nackさん(#9429,9470)  21、22両日は御苦労さんでした。不肖の娘たちを乗っけて、買い物の運転手ま でさせてしまい、申し訳ありませんでした。  腰痛と肋間神経痛で動けず、食糧も底をついていました。やむなく免許取りたての 次女に買い物を頼んだところ、試運転に出た下の集落で排水路に突っ込んでひと騒動。 近隣の人たちや自動車屋、森林組合のレッカー車まで呼んで、一瞬にして10万円の 仕事をしてくれました。  あたりの水田は田植え準備中なのに、御ていねいにコンクリート製の用水路までこ なごなに全壊。痛みでうんうんうなって寝ていた私も、いやおうなく騒動に立ち会い ました。次女の入退院騒動につぐ事故騒動で、肋間神経痛も治るわけがありません。  幸いけがもなく、頑丈な愛車もバンパーが曲がっただけでした。それはともかく、 買い物にも行けず、食糧不足でどうしたものかと悩んでいたところに、救世主のNa ckさんの登場でした。助かりました。  ひまわり小屋の増築の方ですが、私も出たとこ勝負しかないと思います。なにせ、 もともとレベルも尺も当てずに、出たとこ勝負で建てた小屋ですから、正確な設計図 はむしろなじめないでしょう。  今朝やっと起き上がり増築現場を見ましたが、ちょうど手ごろな垂木が残っていま すから、継ぎ足せると思います。おっと、インパクト・ドライバーなどの始末もお忘 れでしたよ。 サナギマンさん(#9434,9455)  おさっしのとおりです。ウイルス性のヘルペスによる肋間神経痛でしたから、逆療 法もききようがありませんでした。でも、それがわかったのは娘がまきちらした騒動 に巻き込まれた結果でした。  屋根からの落下して負傷したさいを除いて、当地に引っ越してはじめて医者にかか りました。地元の同級生の医師や物の本によりますと、まだ特効薬はなく、治るには 平均で3週間かかるそうです。年をとるほど、治るのにひまがかかるそうです。  ともかく今日、次女の亭主の両親がみえたので、まずはとりあえず床上げしました。 2週間近くほとんど寝たきりでしたが、平均値に比べればまずまずの回復力でしょう。 ただ、いつもは逆療法で治す腰痛症の方は、寝たきりでしたので持ち越しです。  この2週間、騒動はあったものの、痛みでうなって疲れるとぐうすかとよく眠り、 目が覚めると腹が減っており、よく食いました。1、2キロ増えました。疲労が蓄積 したときに発病するそうですから、やはりかなり疲れがたまっていたようです。  今朝は放射冷却で気温は氷点下7度前後まで下がりました。それもうそのように昼 間は気温が上がり、不足していたたきつけ用に、本宅西側の三角地で小枝や樹皮を拾 いました。この三角地に、なにか果樹か樹木を植えてはどうかと思います。  なにせ仕事場のそばですので、鹿や猪もこないだろうから菜園にしたらと、最初は 思っていました。でも、それにはちょっと向きそうもない土地のようです。栗が最初 に自生しましたから、栗に向いているかとも思います。  だが、なぜかだれかが命をいただいた山桜を、ベンチに活用しているお詫びに、そ の親戚のサクランボでも育てたらどうかとも思っています。それとも山桜の供養に山 桜を植樹しましょうか? 仕事をしながらの花見もいいなあ。 ◇夜は野生動物の天国◇  ひまり小屋は、堺市からみえたソフトハウスの経営者がきれいに掃除をしてくれて いました。今朝のぞくと、吹き抜けの炊事場に、小麦粉が散らばっていました。野ネ ズミの仕業かと思いましたが、女房は野良猫ではないかといいます。そんな足跡があ ったようですが、猫ともかぎりません。  山猿塾も昼間は人間の天下のように思いがちですが、人間たちが知らないところで、 とくに夜は、野生動物たちの天国になります。棚や流しの下に食糧を片付けているつ もりでも、彼らが出てきて食い荒らします。  テンプラのあとの残りの小麦粉を、だれが見付けて食い荒らしたか確証はありませ ん。今後は、残り物は持ち帰りを原則にしていただきたいものです。でないと、後始 末に思わぬ手を取られます。人間の小屋のつもりでも、餌があれば思わぬ主の住みか になります。  それとなく野生動物たちを観察していると、彼らのテリトリー争いや食いつ食われ つの生態の片鱗が見えてきます。すぐ下の水田には、野良犬に食い殺されたのか、子 狸の死骸がありましたが、しだいに食い尽され、その姿も消えました。ときおりきて いたカラスは、鷹の泣き声が聞こえはじめるとともに消えました。  野ネズミの大群も、野良猫やイタチの登場とともに姿を隠し、猪の登場とともに猫 もこなくなりました。猪も、冬眠中のマムシや蛇をあさっていたのかもしれません。 ビニールハウスのそばのぬた場には、猪のものと見える太い糞が転がっています。  さて、まもなく97春キャンプ山猿塾です。これからその企画や計画をねりましょ うか。いまのところ、提案があったのは、篠竹やカンナ屑を使った紙造り、天ぷらを したのちの廃油での石鹸造り、ひまわり小屋増築などです。  キャンプ期間はやはりゴールデンウイークでしょうね。地元でも、キャンプ案内を ほしいという希望者が出てきました。郵送費用を考えるとあまり案内状の数を増やせ ませんが、早めに郵送すべきでしょう。 目次へ MSHIBATA'S Home Pageへ
09511 ◆山猿塾だより◆119−キャンプ案内 FAGRI掲載日 97/03/31 ◆97春キャンプ山猿塾の御案内◆  恒例の97春キャンプ山猿塾の御案内をさせていただきます。  私たちが当地に定住してから、はやまる2年になります。この間に小屋も2つにな り、私たちの本宅も完成しました。小屋でもガスや電気が使え、本宅の設備も整いつ つあります。  便利になってきますと、ついついキャンプの原点を忘れがちになります。このさい あらためてキャンプの原点に立ち返り、できるだけ自然の素材を利用し、自然に接し ましょう。自然に接して、自然をいかに知らないかを知ることが、自然から学ぶ第一 歩ではないでしょうか。 と き=1997年5月3日(土)から5日(月)まで ところ=兵庫県氷上郡市島町市ノ貝 山猿塾 Z=0795 86 1286       (JR丹波竹田駅下車、約3キロ) 《催 し》 (1)てんぷら料理のあと、廃油を使った石鹸づくり (2)篠竹やカンナ屑を利用して紙すき、はがきなどの制作 以上は京都府下で理科教室を開いている山本睦徳さんの提案です。彼と友人の玉置 仁さんが協力して教えてくれます。玉置さんは広島の大学院で「水系と生態系」を 研究していて、これからひまわり小屋の排水処理を考えてくれます。 (3)サナギマン果樹園、菜園の手入れ (4)ヨモギをつんで草餅づくり  わが家で餅米と餅つき機を用意します。 (5)ひまわり小屋の増築作業  Nackさんがすでに作業をはじめました。 (6)以上のほか、散策、自然観察、山菜とり、炭焼きなどが可能です。また、その ほか参加者のみなさんの知恵と裁量で自由に計画してください。 《食 事》  燃料は落ち葉や枯れ枝を拾い、既存のかまどのほか石をつんだかまどなどで、はん ご炊飯にしましょう。米は地元産をわが家で用意しておきます。なにをつくるかは、 参加者の協議で決めましょう。 《宿 泊》  ひまわり小屋、開拓小屋はそれぞれ大人6人、計12人くらいまで宿泊可能です。 備えのテント2はりのほか持参のテントをふくめ、だれがどこで泊まるかは、みな さんの協議で決めてください。 《寝 具》  各自で御用意願います。 《費 用》  持ち込み買い込みの食材などもふくめて、かかった費用は、すべて参加者で分担し ましょう。  以上はみなさんと私たちの提案ですが、参加のみなさんのそれぞれの提案で自由に 改善、修正してください。また、キャンプは天候や参加人数などに大きく左右され ますので、臨機応変に計画や予定を変更するのが最善です。  参加のみなさんのお越しをお待ちしています。 青木 慧/明子 目次へ MSHIBATA'S Home Pageへ
09533 ◆山猿塾だより◆120 いろいろあって FAGRI掲載日 97/04/02 サナギマンさん(#9524)  5、6両日は、ともにひまわり小屋があいています。どうぞどうぞ。  いろいろあって、今回もみなさんに十分な相談をしないまま、97春キャンプ山猿 塾の案内をいきなり掲載してしまう結果になってしまいました。そのため、参加者の みなさんに自由裁量で計画や企画を改善、修正してもらえるように幅をもたせたつも りです。  こうなった事情をみなさんに説明させてもらわないと、キャンプなどがワンマン運 営という誤解を受けてしまいます。ですから、私事も含まれてしまいますが、このさ い弁解をさせてもらいます。  御心配をかけましたが、からだの健康の方は回復しました。結局、2週間ほど寝込 みました。これも疲労蓄積によるもので、自然からの休養命令だったようです。ヘル ペス(水ぼうそうによる肋間神経痛)は、回復には平均で3週間を要し、年とともに 長期化するということですから、回復力の方はまあまあでした。  ただ、うなって寝ている最中に、次女夫婦の海外移住があり、おまけに出国直前に 次女が入院し、退院後にわが家で療養中にクルマの事故を起こすなど、騒動つづきで した。ヘルペスの方は回復しましたが、寝込んだままでは腰痛症の方は回復しなかっ たので、これは得意の逆療法をとりました。  ひさしぶりに足腰を使った重労働をやりました。本宅西側の空き地を整理して穴を 掘り、サクランボ(暖地)を2本植えました。これもサナギマンさんに相談してから と思っていたのに、待てずにやってしまいました。痩せ地ですので、オガクズの堆肥 をたっぷりと入れましたが、はたして育つかどうか?  本宅周辺の斜面には、ツツジ、クスノキ、ナンテンなども植えました。こうした重 労働のなによりの成果は、腰痛症の撃退でした。ところが、そろそろ春のキャンプに ついて、この会議室でみなさんと相談して予定を決めようと机(パソコン)に向かっ たところで、パソコンが重傷になってしまいました。  またまたずっこけたのはEISAlではなく、旧型のIBMのPS/55です。だが、 またEISALの制作者、芝田まことさんにやっかいをかけてしまいました。 芝田まことさん  お世話になりました。目先の自宅建設に追われて、EISALへの本格的な乗り換 えをサボり、またしても痛い目にあってしまいました。乗り換えは機械だけですまな いから困りものです。しかも、プログラムやソフトは、勝手に用紙などの規格や操作 方式を変えていますのでつらいです。  すでに十数年経験を積んでいても、データの互換性を無視されるだけではなく、そ の経験そのものも役立たずにされるので、腹が立ちます。だから、せっかくのEIS ALに対しても、ついつい乗り換えをサボり、ケガをする結果になりました。  キャンプについても、みなさんに相談できないまま、まだ慣れないソフトに振り回 されながら、案内を書くだけで精一杯でした。書くには書いても、その書式が印刷で きるようにプリンターの設定ができないようになっており、案内を書いて刷るまでに 数日を費やし、神経も疲れました。  パソコン歴が浅い人は失う物も少なく、物新しさと利点だけが目に付くでしょうが、 せっかくのコンピューター技術も、今のようにユーザーを無視していては、先も長く ないでしょう。私自身も、全面的に活用してきたパソコンから、最小限必要な範囲内 に撤収しようとしています。  20年近い仕事のデーターの互換性さえ維持できないようでは、いつ裏切られるかわ からない、というのが正直な気持ちです。ほんと、その場限りの「ボタン文化」に翻 弄されるのは、もういやになってきました。  とはいえ、コンピューター病の手ではペンに持ちかえるわけにもいかず、麻薬中毒 のように、パソコンを使わなければ本業が成立しません。自宅がやっと完成したとい うのに、容易に本業の執筆にもかかれず、少々あせってきました。  本格的に仕事ができるようになるには、まだ一山も二山もありそうでず。いっそ大 工に転業しようかと、冗談をいいたくなっています。もう一度、コンピューター業界 に食いついてやろうかとも思ってみますが、相手にその価値があるかどうか? 相手 をけなすより、やはり「自然から学び直す」ということに、もっと情熱を傾けようと 思っています。 目次へ MSHIBATA'S Home Pageへ